塵壺日誌

日々の徒然を綴った駄文の塵壺

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多石信仰・・・?

さて、今日は一日雨で生来の不精者であるぼくが外に出る訳もなく・・・
と言う事で、今日は時計ネタに走りますハイ
表
横
↑この時計は国産時計メーカORIENT社が1964年に販売した「GRAND PRIX100」と言う変わり種の時計。
40年以上前の時計ですが、普段使用可能の中々良い状態です。
曜日が日本語表記ってのが良いですよねぇ・・・
文字盤のシルクライン(縦目筋)も素敵です。

さて、1960年代前半、多石信仰とも言うべき妙な流れが時計業界に有ったそうです。
通常、歯車を用いた時計には摩耗を防止するために歯車の軸受けにルビーをはめ込んであるのですが、その軸受け石の数が多ければ多いほど高級品だと言う流れができ、その流れを受けて国産時計メーカーのオリエント社が1963年に時計内に64個のルビーを埋め込んだ「GRAND PRIX 64」を発売しました。
ちなみに、この64個と言う石の数は、次の年1964年に東京オリンピックが開催される事を記念して数が決められたと言う話が有ります。

で、そこで止まらないからこその多石信仰・・・・
翌1964年に入り、オリエント社が発売したのが、前年発売の64石時計を大幅に凌駕した100石時計・・・
ぼくは裏蓋を開ける道具を持っていないので、他のサイトの機械の見えるページをリンクさせてもらうと・・・
こんな感じに、意味不明なほどにルビーやサファイアがちりばめられています。
その数は、ルビーが89個、サファイアが11個・・・計100個

ちなみに、その内歯車の軸受として使われているのは24石だそうで、自動巻きの時計としては24石は普通の数ですので、後は完全なる飾り石と言う事になりますねぇ・・・
まぁ、歯車を撒き上げるためのローター(分銅)にサファイアが11石使われているのですが、このローターは重い方がぜんまいの巻き上げ効率が良いという考え方もあるそうで、18金や22金と言った、ステンレスよりも重い素材が使用されている時計が現在も多々ありますので、もしかしたら多少なりともこの11個のサファイアには意味が有ったのかも知れません。

が、それを除く89個のルビーの内、歯車の軸受けに使われた24石以外の65石は飾りと言う以外何の意味もありません。
元々大して大きくもない時計機会なのですから、100石ともなれば埋め込む場所にすら困ります。
なので、もはや全く関係ない機械の外周リングなどに埋め込まれている訳ですね・・・
しかも面白い事に、この時代には今のように裏蓋がガラス張りになって時計の機会が覗けるようになっているなんて代物は存在していませんでした。
なので、
裏
こんな感じに裏蓋が存在するわけですから、これを開けない限りたっぷり埋め込んだ飾り石を見る事は出来ません。
ぼくもスクリューバック(ねじ込み式)の裏蓋をあける道具は持っていますが、このスナップバック(はめ込み式)の裏蓋をあけるこじ開けと言う道具を持っていないため、中の機械を見れないと言う間抜けな状態・・・

ちなみにこの時計、あほほど無駄に石を詰め込まれた意味不明な時計として有名ではありますが、そこはそれ・・・時計メーカーが販売するものですから当然のように道具としての能力もきちんと追求されています。
曜日の下に「TRIOSTAT」と言う文字が有るのが分るかと思いますが、これはオリエント社が自社開発した微動緩急調整装置と言う対衝調速機構です。
これは当時、オリエント社の時計の中でも高級ラインの時計にしか使われていませんでした。

この多石信仰は他社も追随しておりまして、シチズンやセイコーも50石程度の時計は販売していました。
舶来メーカーでも、確かウォルサム社が「Waltham 100」と言う100石仕様モデルを販売していました。
ちなみに、この50石だの100石だのと使われているルビーやサファイアですが、これは人工的に作られた工業用貴石です。
だもんで、当然宝石としての価値はありません。

まぁ・・・何とも意味不明な時計ではありますが、こう言う時計がもてはやされた時期もあったのです。
今の国産時計メーカーに欠けているのは、こう言う意味不明なほどの思い切った遊び心なのかも知れませんね・・・

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コメント

100石なんて時計、あったんですね。
馬鹿げているとは思うけれど、面白いです。

それにしてもこの頃の時計のフェイスは良いですね。
私が機械時計にはまるきっかけだったのが、知人にもらったシチズンのオートデーター7なのですが、同じ頃のモノです。もっともこちらは19石の安物でしたが。
しかしこちらも日本語の曜日表示を選ぶことが出来ました。

それまでクオーツ信奉者(ステップ運針は嫌いでしたが)だった私を機械時計オンリーにした原因なので、忘れられない時計でもあります。

  • 2009/06/22(月) 00:01:27 |
  • URL |
  • しとろん #Qi8cNrCA
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>しとろんさん
コメントありがとうございます。
まぁ、100石時計なんて、後にも先にもこれだけです。
ウォルサムさんのは実際には100石は入ってないみたいですから・・・
古い時代の国産機械式時計も、中々良い感じですよねぇ。
ここ最近クォーツに特化していたシチズンさんも、30年振りに本腰入れて機械式ムーブメントの開発に乗り出したところだそうです。(現行のシチズン機械式は、子会社のMIYOTAさんとこのムーブ使用)
運針に関してですが、クォーツでもスィーブ運針のものは有りました。
SEIKOさんの5S系クォーツムーブメントを積んだSPIRIT(現行のじゃなくて、昔の奴)なんかがそうですね。
いまでも、ヤフオクで漁れば1~2万以下で手に入ります。
現行ですと、やはりSEIKOさんのスプリングドライブですねぇ。
ゼンマイ駆動のクォーツ制御と言う異端児的な存在ですが、これは完全スィーブ運針です。
まぁ、クォーツも機械式も時計はそれぞれに面白味が有って良いですよねぇ。

  • 2009/06/22(月) 19:59:13 |
  • URL |
  • 玖珠 #3fP8K/.I
  • [ 編集 ]

シチズンのメカニカルムーブは子会社製だったのですか。
8年ほど前にビルド・トゥ・オーダーの「マイ・クリエーション」で作ったのを愛用しているんですよ。

セイコー5Sムーブのは持っています、というか、オートデーター7入手まで愛用していたのがそれです。
ステップ運針嫌いのクオーツ好きとしては、逸品だと思っていました。使わなくなってからもかなりの間、電池交換だけはして保存してました。

スプリングドライブは…機械時計が好き、というのは実用的な精度が出ていれば充分と言う「感覚」も緩くて良いと言うのがあるので、なんか引っ掛かるんですよね。
あと、技術的にはすごいと思いますが、クオーツ全盛の時代には技術の使い方として正しくないような感じもします。

  • 2009/06/23(火) 19:59:12 |
  • URL |
  • しとろん #Qi8cNrCA
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>しとろんさん
コメントありがとうございます。
シチズンのムーブは、子会社のMIYOTA製です。
まぁ、完全子会社ですし、設計などはシチズンが手掛けてるはずですが。
30年振りの機械式ムーブは楽しみな事です。
スィーブ運針は、クォーツでも普通に可能なのですけれどもねぇ・・・
やはり電池の消耗度合と言うのが課題になるのでしょう。
スプドラは、面白い機械ではあるのですが、無音と言うのが味気ないですねぇ。

  • 2009/07/05(日) 20:09:00 |
  • URL |
  • 玖珠 #3fP8K/.I
  • [ 編集 ]

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